<更新日記: 11月03日 更新分> 
 ・「常磐道でまちづくり」に応募してみました。(私の田舎に出来る、高速道路の生かし方についての提案です)
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私たちのトライ&エラー!〜 Our Tries and Errors 〜



 応募してみました!
データ-ベース
 今回、初めて「論文」の懸賞に応募してみました。(実は、「トリビアの泉」とかにも応募しているのですが、なかなか採用されない
   ・・・採用されて、賞(金)もいただければ、言う事は無いのですが・・・
  テーマ:常磐道で人間回帰!

1.始めに:高速道路の利用者と運営側の目指すものについて

   僭越ながら、私は、高速道路を大変よく遣う人間である。距離は、曖昧だが、料金にす
  ると、5万円分のハイウエイカードや、最近切り替えたETCでの5万円先払いで、年に
  10万円分、特典込みで11万6千円を、使っている事になる。(自分でもあきれるが)
   目的は、年2,3回の田舎への帰省、(愛知在住で、田舎は福島県いわき市)約月一回
  の旅行(温泉・滝・自然の変化・イベント)である。
   そう言う意味で、殆ど、全国の高速道路を走っていて、サービスエリアも使用している
  為、高速道路のユーザー側の事情には、詳しいと思っている。

   さて、添付図1に、利用者、その目的、利用者が満足したかの基準について、整理をしてみた。
  結論から言うと、どんなビジネスに共通する、「顧客の満足。顧客の心の満足」が大事で、
  これにより、「行って良かったね、また来たいね」という気持になり、リピーターや、
  その口コミ(と言っても、情報誌やインターネットによる情報の広がり方は、新聞に迫る勢いであるが)
  により、顧客が増大するのである。

   しかしながら、高速道路の利用目的は、業者を除いては、目的地の魅力だと、思わざるを得ない。
  少なくても、東京の湾岸線や、アクアマリン、瀬戸大橋、愛知の名港トリトンなど、
  景観がいい道路を除いては、道そのものを目的にされる顧客は殆どいないと考えられる。

   これらの事から、何か、目的地が無いと高速道路のニーズは商用ニーズのみになってしまう事になり、
  高速道路の運営も困難を極めるものになるし、地域はそのままである。

   ここで、ようやく主催者側のテーマ「常磐道でまちづくり」というテーマを頂き、高速道
  路運営と、それが走る地域の共存の方法について、考えてみたい。

2.コンセプト作り・・・心の満足について考える

   テーマの他に、具体的な案の作成の為には、「コンセプト」が重要だと思っている。
  「コンセプト」だけで、宣伝になる場合もあるし、逆にコンセプト無しでは、大概、曖昧な
  案作りとなり、個性が無い、ありふれた、後付けとも考えられるアイディアにしかならない
  のが実情だと思う。

   私、幸いといおうか、不幸といおうか、人間と心の結びつきの大切さを勉強する機会があったので、
  これを応用して、先ほど出した「顧客の満足=心の満足」について考えてみた。

   切り口は、何故我々は、「帰省・観光をするのか」と言う点で、その答えの一つは、「癒されたい」
  では無いかと思う。(雑誌じゃらんのアンケートより)

   さて、何故、癒されたいのか。今、報道されている、心の問題に特化し、現社会の問題をまとめた。
  (添付図2参照)
   
   「あいさつが出来ない」「自立の遅れ・・・パラサイトの増加」「他人とのコミュニケーション力の低下」

  「虐待、いじめの増加」「自殺者の増加(年3万人で世界No.1)」「心の病の増加(引きこもり、うつ病)」

  「やりがい、喜び、感動の少ない世の中」「思いやりの欠如」「政治界の汚職、税金の無駄使い」

  ・・・代表的なものだけでも、これだけある。

    日本が、世界で「幸福感を感じる」という調査で経済の大きさに比べ、十数位というのも、
   なんとなく、うなずける。
   
   何故、こんな風になってしまったのか。社会的な見解と、私なりに、昔(親、祖母)の時代と比較して
  推測したのが、下記の原因である。

   ・他人の尊重、他人を思いやる気持の欠如

   ・競争原理導入により、@勝・負と価値が2分化された事、A勝者になる事にこだわり、
    敗者を省みる事が無い社会システム B一生懸命働く事に集中しすぎによる、心の余裕の欠如

   ・人の評価方法において、@年少から偏差値、成果(テストの結果)等、ある基準に達する事を強制
    される事、A成果を出すまでの経過(努力や、向上度合い)が評価されないシステム

   ・過剰すぎる供給@自分で考えなくても生きていける社会により工夫する、改善する事の喜びを感じない
    A情報が多すぎる、情報発信者との距離があって、「真実」がわかりにくい社会。

   ・先駆者(祖父母、祖先)の知識の伝承の機会の停滞(核家族化、話し合う時間の少なさ)

   ・効率主義(利益主義)と、手抜きがはこびる社会(食品等の添加剤の多さ等)
 
   逆に言えば、この課題対策こそ、サービス面でのアイディアとも、なり得ると思う。

3.心の満足と、高速道路

  3−1:常磐高速道の魅力についての分析

   私にとって、常磐道は、愛知からいわき市を結ぶ、時間短縮の手段であり、上越、東北自
  動車道へのアクセス道路である。時間をお金で買うという意味で大変便利である。

   さて、添付図3-1に、いわきから、仙台までの沿岸の高速道路の魅力をまとめてみた。
  結論から言うと、いわき市、相馬、仙台を除けば、観光の目的になりそうな、なっても、
  リピータを望めるような資源に乏しいと考える。
   
   これは、いわき、仙台を除けば、ただの「通過点」となる事が考えられ、
  地域の発展に直接結びつくとは考え難い。
 
   地元の方が、高速を利用するか?という点でも、県道や、国道がある以上、帰省時期を除けば、
  料金とのコストパフォーマンスを考えれば地域の人にとって嬉しいものには、なりそうもない。
  当然、宿泊のニーズも無く、地元に落ちるお金が殆ど無いと言っても過言では無い。
  (実際、いわき、仙台を除く地域の宿泊施設は、とても少ない)
 
   ただ、魅力が無いとは言ったが、本物と言える資源はある。

    まず、安価な土地。いわき、仙台を考えた場合、その都市部の地価を考えると、都市部に、
  土地を持つより、こうした、比較的易い場所に住居を構えたほうが、メリットは大きいと、考える。
  自然の豊かさ、食べ物の新鮮さは、価格は都市部より安価である。デメリットが、あるとすると、
  交通距離・時間であろう。これを現実化するには、例えば、住居を構えた方を含め、住民の税金で
  高速代を賄ったり、企業と協力して、補助金の捻出をする手もあると思う。
 
   この点、電車が不便なこのエリアでは、有利な条件と考える。

   次に、豊かな自然。山,海、川に恵まれている点。食材も豊富である。
  しかしながら、「魅力的に写る」特筆するものが無いのが現状である。(他地域比で)
   
   ・・・事実、私も帰省時に、妻を観光に連れて行くときに、いわきー仙台間は、下道を走
  る事にあるのであるが、殆ど見るものが無い。(J-ビレッジ合宿所、道の駅、相馬の岩堀の仏像、
  相馬の魚(港で地元の人が串焼きスタイルで売っている)程度である。
 
   となると、住宅需要による、ベットタウン化の他に豊かな自然を生かした、地域作りが、
  高速道路の運営に不可欠となる。
  
   ・・・アイディア勝負に、なると言う事である。

  3−2:浜通り地域の魅力UP!・・・日本一のコンセプト作りから

   さて、再度、顧客のニーズを整理した。(添付図3−2参照)
  目的地や、高速道路への期待は、

   ・珍しい、貴重な事
   ・楽しい、感動、喜びがある事
   ・ストレスを感じる事無しに、ゆっくりと休憩できる事

  そこへ、先ほどの日本の抱える、心の問題の対策をコンセプトとしてはどうか?
 「人間回帰への常磐道」など、考えてみた。

  3−3:具体案の提案:高速道路,地元の人々、地方事業体の協力による地域作り

   A:地元地域へのアクセス面のサービス: 

     PA,SAでのサービスの限界時は(観光バス到着時のトイレ、施設内の大混雑)は、利用者にとっても
    ストレスになるものである。この対策として、PA,SAから、地元の施設なりに送迎するサービス。

     ここで重要なのは、その送迎代は、取らない、もしくは、負担にならない500円未満とする事である。
    料金が高いと、大家族などは、利用しないだろう。いずれにしても、施設(高速道路管理か、
    地元管理かは別途、すり合わせをすべきだが)で料金分は回収できるし、地元開発品(別途説明)の
    販売や、雇用の面でも地元にメリットは生じる。

   B-1:魅力ある商品、サービスの開発(有形):
     
     ・地方の素材、調理法を生かした、体験型の食事の提供(提供するのは地元産のみ)

      →コンセプトは、「加工前の素材が見れる」「学べる」「手抜き無しの手間の重要さ」を伝える。

       最近は、加工品を家で、既に「○○用」と既に調合された、調味料での食事が、子供達にとって
      「当たり前」では、無いだろうか?

       先日、あんこう鍋(茨木県の名産であるが)の切り身が”肝付”で売っていたので、その作り方を、
      インターネットで調べてみたが・・・非常にいい加減というか、その地方独特の味付けさえ、
      示しているものが殆ど無かった。あの肝のすりつぶした、濃厚なスープを得る為に、
      かなり苦労したのである。
      
       一番効いたのは「当社の特性スープを入れる」・・・には、絶句であった。
      通販の怖さは、こうした手軽さゆえの過剰サービスによって、手抜きなども加わって、
      本場の作り方に味が、かなわない事が多いことである。

       その「当たり前」に潜む、添加剤による危険性や、手間をかける意味などが子供、大人を問わず、
      魅力になるのでは無いかと思う。
 
       また、こうした本格的な料理を出す食堂を探すのは、結構大変だし、価格も本格的な場合が
      多い。
      
       これを、高速道路のSAや、PAで情報を提供し、かつ地元の主婦を中心にしたサービスなら、
      低コストに押さえる事も可能かも知れない。
       
     ・地方の素材、調理法を生かした、体験型の食材の開発、提供
     
      →コンセプトは、「その場でしか買えない」「こだわりをみせる」「先駆者の知恵と観光者の融合」
      により、顧客、サービス提供側が、知る、美味しさを体験、地元の人との交流での思いやりに喜び、
      感動する事。安全、本物を提供する事。

       今、道の駅で、その地方で、それぞれの名産が売られているが、例えばハム・ソーセージの
      加工品に添加物が入っていないものは無い。安全面での不安が残るし、ビジネスチャンスとして、
      他がやっていない事への挑戦という意味で、開発者には、とっても、やりがいのある仕事であるし、
      購入者側も安心して購入できるというメリットがある。

       また、私は、日本酒が大好きだが、日本酒は、その地方,素材,製法、技術により、決まって、
      酒蔵の個性が出る。
      
       日本酒を開発するには、寒くないこのエリアでは、よほど、空調の整った施設が必要になる為、
      この地方の米とか水を使って、他の土地でつくってもらうと言う手もあるかもしれない。
   
       ただし、自家製のどぶろく制作・販売の規制が緩和されるという情報もあり、こうした「独自」のもの
      開発・販売するのも、地元の活気になると思うし、通信販売ができるのであれば
      (しないと言う手もあるが)流通上のメリットも高速道路側に生じる。

       また、甘いもの、ちょっとしたファーストフード(例えば、ラベンダー味のソフトクリームや、
      飛騨牛の串焼き、ジャンボ地鶏の焼き鳥などは、道の駅で人気メニューである) も、
      上記のコンセプトで提供できると、顧客の印象に残りやすいと思う。

     ・共用品開発

       共用品とは、健常者、ハンディのある方(妊婦さん、お子さん、高齢者も含む)の誰もが使い易い
      物を総称していう。
       
       先に出た、国際福祉機器展では、量産によるコストダウンや、差別化の廃止
      ”ハンディのある人は、健常者と同じものを使えない”というメンタル的な障害の撤廃も含めて、
      かなり奨励されている。

       この分野は、まだまだ、スタートしたての為、思いやりや,工夫があれば、
      地元での開発も可能では?と思う。
      
       後で述べるが、コンクール制にして、全国からアイディアを募集するという方法もある。
      地元の方、若者から高齢者の知恵を生かせ、使用者から喜ばれるなら、これほど精神的に
      いい事は、無いと考える。

   B-2:魅力ある商品、サービスの開発(無形):
     
     ・体験:@講話

       コンセプトは、先駆者の知恵の伝授、マナー、礼儀のある社会への回帰である。

       高齢者の方に、講座を持っていただくというのはどうだろうか?

      内容は、礼儀とか、暮らし上の工夫、人との付き合い方など、今世間で悩みを抱える人が
      多い問題を、どうやって克服して来たかについて、等。

     ・体験A:教科書の現実を、現場の声と共に体験する

       コンセプトは、本当の姿、現実を知ってもらう、体験して印象に残していただく事、
      地元の人とのふれあい、コミュニケーション力UPのきっかけ作り、苦労や手間に対
      して感謝する気持を持って頂く事など。

      例)朝摘み野菜の美味しさ体験(昼摘みと夕摘みとの味の差体験)、鶏の卵回収、
        ごみ焼却所の苦労話、実体験、動・植物の成長記録(インターネットで毎日映像
        を提供するなど)

       これは、時間帯を限定するイベントが多い為、宿泊の需要を起こすというメリットも在る点が、
      地元の方にはメリットになると思う。


     ・競争、協力
 
      コンセプトは、自ら考える事の楽しさ、ライバルが居る事での競争心向上、生まれた
      ものが、この地域の名物化により、自信をつけていただいたり、やりがいのきっかけ
      にして頂く事である。(成果のみ評価せず、コンセプト等,経過も評価に入れる)
       
  
      例)地元の素材を生かした料理、共用品、デザート、アート(絵、彫刻他)、観光アイテムのコンクール。
      入賞商品は、商品化や、商品の副賞つき。地元の方も参加できるので全国区VS地元の知恵の
      出し合いになり、盛上がると想像。
        
        高速道路の走行中に見えるエリアの、アートなどは、季節などで変化があり走行時も楽しめる
      高速道路として、一つの魅力となる。
       
    
   C  :その他

       コンセプトは、日本1の模範エリア!(環境・マナー)

       例)マナーに関しては、テーマを決め、サービスエリア内での、禁止事項や、配慮すべき点を
        徹底して行う。
      (タバコの煙の行き先を考える、挨拶など)地元の方が見本になって、その理由や背景の説明が
      できるようにする。)

        環境面では、ゴミの最小限化を目指し、運搬道具(保冷剤パック、クーラーバック、
       運搬用バックなど)をもって来る事を推進し、持ってきていただけた場合は、特典をつける等。
       (もってこない場合ペナルティ(お金)の方がいいのかも知れないが)

        施設内は、使い捨て物を最小限化、土に返るプラスチックの採用などで、環境を守る為の
       実施案を地元の方中心に「環境に優しい地域」をアピールしていただく。

 
4.最後に。

  今回のテーマを通して見えてきたのは、地域の反映の為には、高速道路側、地域側の協力が
 不可である事。
  一部の人で考えたアイディアで勧めるのでは、無く、全国区を巻き込んで、目指すコンセプトを実現
 する事により、沢山の人の喜び、感動、やりがい、工夫、改善などの自立を通して、満足度をあげて
 いけるのでは無いかと思う。

  そういう意味で、今回の「常磐道を通じてまちづくり」の論文募集は、いろんな英知が集まって
 素晴らしいものができるものと期待してる。

  それに参加できた事をとても感謝している事も伝えたい。